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だらしがないす

スリハー・スリハー!

子どもをネズミにして食う「ジャンカリン」というモノノ怪

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覚えていますか。

 

爆走兄弟レッツ&ゴーのアニメ。

 

そのアニメの中で恐らく1回だけあったホラー回の、“赤子が猛烈な(爆裂と言ったほうがいい?)勢いでハイハイしてくるシーン”を今も忘れられない。

 

怖さレベルで言えば『呪怨』の子供や『あたしんち』のお母さんには敵わないのに、彼らよりも鮮明に覚えているだけでなく、かなりの頻度で思い出します。

 

それはなぜか……、

 

そのシーンを思い浮かべているときに、

 

忘れられない恐怖体験をしたからです。

 

幼少の頃、私はとても怖がりでした。

 

小学校低学年の頃には、夜にひとりで階段をのぼれず立ちすくんでシクシクしているような。

 

なぜかというと、幼馴染の母君に「10時を過ぎても寝ない子供はジャンカリンにネズミにされて連れて行かれて食われる」と言われており、階段の上にはジャンカリンが隠れていると思ったから。

 

お父さんお母さん、もしくはいつかお父さんお母さんになる予定のある方は、寝ない子供を怖がらせて寝かしつけてはいけませんよ。

 

血血、破破になっちゃいますからね。

 

話を戻します。

 

小学1年生の頃、私は生まれて初めて「暗くなってから家に帰る」という経験をしました。

 

***

 

田舎らしく、よくわからない工場や、だだっ広い田んぼ、そして100万羽くらいのカラスなど、見るからに聞くからに怖いシチュエーションに溢れている。

 

そんな中を歩くなんて、“ひとりバイオハザード”だ。

 

いくらなんでも怖すぎる。

 

6歳に背負わせるミッションじゃない。

 

しかし、健気な私は頑張った。

 

「下を向けば怖くない、下を向けば怖くない」

 

ひたすら靴の先を見つめて歩く。

 

歩幅45センチで2キロ。

 

1秒も気を抜けない状態で、だ。

 

とはいえ、道のりを歩き続けていればいつかはゴールにたどり着ける。

 

歩くこと30分、最後の角を曲がり、家がちらっと見えたそのとき。

 

「こんこん、こんこん」

 

と、聞こえた。

 

声の主は背後にいるようだ。

 

全身が震えて立ちすくむ。

 

足も手も首も動かせない。

 

頭と耳に神経が集中している。

 

「こんこん、こんこん」

 

もう一度、聞こえた。

 

「おいで、おいで」

 

頭の中に「猛烈な勢いで追いかけてくる赤子」が思い浮かんだ。

 

全身の毛穴が開く。

 

怖い。怖い怖い。怖い怖い怖い怖い。

 

そして今後はジャンカリン。

 

ネズミにされて、連れて行かれて、食われる、あのジャンカリンを思い出す。

 

何度も何度も想像した食われるシーンが脳裏に浮かぶ。

 

「ぃやだ……ぃやだぁよぉう……」

 

必死に声を絞り出す。

 

「絶対に声のするほうを見てはいけない」と本能が警告する。

 

100メートル先に見える自宅が遠くに感じた。

 

ジャリ、ジャリジャリ。

 

砂利を歩く音が聞こえる。

 

気配が近づいてくる。

 

もう何も見たくない。

 

必死に目を閉じ、足を震わせる。

 

ジャリジャリ、ジャリジャリ。

 

音がどんどん大きくなってくる。

 

恐怖心がピークに達した。

 

「食べちゃやぁよぉう! やぁよぉぉぉう!!」

 

ありったけの力を振り絞って発した声をさえぎるように、

 

ポンッ

 

と手のひらが頭に乗せられた。

 

「ひとりでかえってきたの、えらいね」

 

***

 

その後しばらくの間、幼馴染の母君と口をきかなかったのは言うまでもありませんね。

 

ひとりで想像しすぎて勝手に怖がっただけのようにも思えますが、当時の私にとってはトラウマになるほどの恐怖体験だったのですから。

 

しかし今にして思えば、不自然な点が多々あります。

 

まず「なんでそんなに怖がってるの?」と幼馴染の母君が言ったこと。

 

あとは「こんこん」などの声の主が幼馴染の母君とは限らないこと。

 

そして、“幼馴染の母君が正面に立っていた”こと。

 

私の神経はすべて“背後”に集中していたことを思えば……。

 

何かがいたのは間違いなさそうです。